もうちょっと科学的な視点から見るプロポリス

新型コロナウィルスの感染拡大の影響から様々な健康食品がウィルスに効果があると喧伝する輩が続出していますので、もうちょっとまともなことを書こうと思います。

先ず、プロポリスの抗菌作用が高いことは昔から知られています。ハチの巣の壁面剤として使用されているプロポリスは、ハチの巣の中をほとんど無菌状態に保つことができ、ハチの巣の中で死んだ虫や小動物がそのままミイラ化していることからしてもその作用が強力であることが容易に想像できます。実際、昔エジプトでミイラを作るときに、プロポリスがよく使われていました。このあたりの話は、プロポリス関係者ならば誰でも知っている話ですので、この話だけで終わってしまうとプロポリスは万能と言い放って終わってしまう誰かさんと同じになってしまいますね。

そこでさらに踏み込んだ話。プロポリスの第一人者の松野哲也博士によると、寒天培地にプロポリス抽出液を加え、そこに病原細菌を摂取すると、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、腸内連鎖球菌、乳酸菌、枯草菌、腸球菌などのグラム陽性菌の増殖が抑制されたのに対し、大腸菌、緑濃菌、淋菌、サルモネラ菌などのグラム陰性菌に対しては弱い増殖阻止、またはほとんど増殖阻止を示さなかったとしています。おそらく、これは細胞壁の構造に帰着するのではないかとしています。

むしろここで強調されているのは、プロポリスはあらゆる細菌やウィルスに対して直接的に作用するというわけではなく、あるスイッチを入れる作用をもたらすのではないかという推察です。薬事法により詳細を書くことはできませんが、グラム陰性菌によって引き起こされる病気もプロポリスを飲んで元気になっているという事実は、間接的な作用の存在を示しているように思われます。カギは自分の体の中にある戦う力です。

プロポリスは抗菌性が高いとは言われていますが、直接的に抑制できるものは限られています。なので、どんなものでもはねのけるというイメージとはちょっと違います。むしろ、細菌やウィルスが体の中に入ってきたときにパワーを発揮するスイッチ役と理解した方が正しいでしょう。

参考文献
松野哲也 (2009) 「プロポリスでガンは治るのか?」中央アート出版社

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