月別アーカイブ: 2014年10月

ところ変われば-ルーマニアの蜂療法

アピセラピー-昔から有名なルーマニアの蜂療法

日本では蜂製品は、はちみつも、ビーポーレン(蜂の集めた花粉)も、ローヤルゼリーも、プロポリスも全て食品扱いですが、ルーマニアでは太古の時代から続く”アピセラピー”(蜂療法)が今でも重用されているという話を見つけましたので、簡単に紹介します。

(元のネットニュースページは削除されていました)

太古の昔から蜂の作るものは色々な療法に用いられました。太古のギリシャ時代では、医師たちは傷を治療するのにはちみつを使い、ローマ人は花粉を「命を与えるもの」としてみなし、インド、中国、エジプトではプロポリスを防腐剤として使用しました。今でもアピセラピーが盛んなルーマニアで蜂治療医は、蜂の作るものは、ゆっくりだが、長く効き、そしてより重大な結果を生むと語っています。実際、ルーマニアの伝統的な家庭では、のどの痛みにプロポリスを使っています。

蜂療法とは関係ありませんが、ルーマニア首都ブカレストのルーマニア図書館

蜂療法とは関係ありませんが、ルーマニア首都ブカレストのルーマニア図書館

蜂療法のパイオニア

ルーマニアはハチ製品の薬効を早くから科学的に発見した国で、アピセラピーの草分けと言われています。ルーマニアでは、どの町にも、”プラファー”という、植物、ハチミツ、蜂ロウ、プロポリスからからできた製品を販売する自然薬局があります。
アピセラピーに関する学会や医療センターなどがいち早く1970年代から作られ、様々な研究が進められています。

ハチ毒治療も盛んで、1年間全く歩けなかった34才の多発性硬化症の女性が、通常の治療だったら多くの副作用になやまされただろうが、そんな副作用もなく風呂に入れるまでになったと喜んでいます。

ミツバチの驚くべき成果

2013年に、米国セントルイス市のワシントン大学は、milittine(ミツバチの毒に含まれる毒素)のエイズウィルスに対する有効性について発表しました。フランスでは、リモージュ病院の腹部手術部で蜂蜜を使った包帯で、何千もの患者が恩恵を得たという話もあります。ミツバチ製品は化粧品にも、皮膚の色やしわを改善するために使われます。

ルーマニアには、まだ損なわれていない自然が豊富で、植物の多様性が保たれていることがオーガニックであると証明され、ルーマニアのブランドApilandは、フランスとイタリアに進出しています。2010年の農業国勢調査によると、ルーマニアは42、000養蜂家とミツバチの130万以上の群れを数えています。

ところ変われば全く蜂製品も存在感が違いますね。特に、有機だとか、環境を重視するヨーロッパだからこその長いものさしで見ている感じがします。日本とは全くものの見方が違う国と言ってしまえばそれだけですが、世界の中で見たら日本が異端なのかもしれませんね。

見かけ倒しの機能性食品表示制度-誰のための制度?

機能性食品表示制度とは?

2015年4月から、食品の効能効果について部分的な表示ができるという画期的な制度、いわゆる「機能性食品表示制度」(仮称)がスタートすることになります。当初、アメリカと同様に各社は自己責任において自由に効能効果を表記することができるようになるのではないかという大きな期待があったのですが、消費社庁主導で行われた様々な検討会の流れを見ると、薬事法という金科玉条の前に、大きく広げた風呂敷には小さなアメ玉一個という結果になりそうです。(詳細は、消費者庁の食品表示に関するホームページをご参照ください: http://www.caa.go.jp/foods/index19.html)

機能性食品表示は「ルテインは目の健康を増進します」とか、「グルコサミンは軟骨の健康を維持します」など、今までより具体的な表記ができるというもので、すなわちお客様に対する訴求力も断然アップするものと思われます。既存のいわゆる保健機能食品に分類される特保、栄養機能食品に比べても、効能効果についてより具体的に踏み込んで表示ができるため、これら制度がかすんでしまうほどのものなのです。

機能性食品表示制度って大変

この機能性食品表示を行うにあたっての要件は、成分の安全性を確保すること、成分の有効性を立証することに分けられます。先ず、安全性の確保については、国内での食経験が最も重要なポイントです。つまり、日常的な摂取量、食品の販売期間・販売量、摂取集団、摂取形状、摂取方法、摂取頻度などを勘案して判断しますが、食経験が足りないと判断された場合は、動物実験やヒト試験などによる判断も必要となってきます。もう一方、有効性を示すためには、ヒト試験による証明が必要になります。その方法は二つ。一つは最終製品を用いた臨床試験を行うこと、もう一つは最終製品または機能性関与成分に関するシステマティックレビューの提出です。前者の臨床試験は、動物を使った簡易試験とは違い、ヒトを使った時間もコストもかかる試験となるので、結局大手企業だけしか対処できない方法です。

ほとんどがクズ扱いとなる機能性食品表示制度

システマティックレビューに値する資料はごく一部

ここで問題となるのが、後者の一つのシステマティックレビューの内容です。システマティックレビューは、今まで各方面で提出された査読付き論文や研究論文の中から信頼性と質の高いデータを選び抜いて、有効性の証明に充てるというものですが、どうやら提出すべき資料に値する論文というのが、Scienceとか、Natureとかの最高レベルだけしか認めないかもしれないという噂が立ち始めているのです。じゃあ、Natureに「プロポリスの癌への有効性について」の論文出してみればいいんじゃないの?なんて言い出す人がいるかもしれませんが、スタップ細胞レベルのもの凄い新規性のある研究!でもない限りは全く相手にはされないでしょう。

つまり、大手のような大金を払って臨床試験ができない中小企業は、システマティックレビューを用いることで機能性食品表示ができるものと喜び勇んでいたのですが、そのシステマティックレビューに値する資料が殆ど存在しないという事実を前にしては、全くなすすべがないことになってしまうからです。それまでは各社一斉に日本薬学会や日本農芸化学会、日本健康・栄養食品協会などの研究資料を集めまくっていたわけですが、これらが新制度の前ではクズと評価されてしまうともうお手上げなのです。

誰のための機能性食品表示制度

とすると、莫大な投資ができる者だけが認められる機能性食品表示制度によって、大手企業がそのメリットを享受し、中小は何も書けないままハンデを負うところに落ち着くのでしょうか。こうなったらTPPという黒船でアメリカがやってきて、もっと自由に表記させろよとイチャモンをつけてくれるのを待ちましょうかね。またしても薬事法の前でしり込みをする大風呂敷の中にアメ玉一個の巻でした。

参考文献:健康産業新聞第1549号(第II部)