検索順位協奏曲-トホホなインターネットの世界

検索順位ってどうやって決まる?

インターネットで何らかのキーワードで検索したときに上から出てくる順番を検索順位といいますが、この順番がどうやって決まっているかご存知ですか?多くの方がこの検索順位はクリックされた数が多い順番だと思っていらっしゃいますが、実は全く関係ないのです。そもそも、この検索結果を表示する検索エンジンは誰が運営しているかといえば、今はもう殆どがGoogleYahoo!Bingだけになってしまいました。昔は、InfoseekとかLycos, Altavista, Excite、日本のオリジナルでは千里眼などの検索エンジンが百花繚乱のようににぎわっていましたが、買収やサービス中止を繰り返した後、ほぼ現在の3つに淘汰されてしまいました。それもYahoo!は独自の検索エンジンを使っておらず、Googleに依拠しているので、その結果はGoogleと同じという体たらくです。つまり、こうした検索順位表示は、ほとんどGoogleの考え方によって決まるという時代になってしまったのです。

Googleが独占する検索順位の世界

ただ、Googleが万人に受け入れられる検索順位を表示をしているのならともかく、その表示されている順番を決定する本当に大事な部分は公開されず、もっぱらホームページを運営するサイトはGoogleが公開しているガイドラインに沿ってホームページ作りをしていれば 検索順位 はそこそこ上に来るという状況なのです。それも、その順位表示を決定するアルゴリズム(理論)は時代と共に変化するので、それによって左右される各社は表示される順位によって売上が大きく左右されるので長年にわたって苦慮し、頭を悩ませてきました。

Googleは今でこそ、その言葉(キーワード)を入力した際に最も多くの人が利便性を感じるサイトが上に来ると言っていますが、昔はただひたすらそのページにそのキーワードがたくさん書かれているサイトが上位に表示されたものでした。たとえば、このサイトはプロポリスの販売サイトですから、プロポリスという言葉が6%以上書かれているとか、プロポリスに関する情報が多ければ多いほど上位表示されたのです。それだけでなく、見えないくらいに小さくキーワードを詰め込んだサイトや、その文字が見えないような細工をして詰め込んだ裏技などが横行しました。

さらに、上位表示されるもう一つの条件として外部リンクというものがあります。これは、よい情報が集まっているサイトであればあるほど、外から多くのリンクが貼られるものだという考えに沿ったものです。確かに、良いサイトは参考情報のソースとして他のサイトからもリンクを貼られていたことは確かなのですが、自分のサイトの良し悪しとは関係なく、リンクが多ければ上位表示をするという仕組みの盲点をついたビジネスが大人気となりました。外部リンク5,000本で20万円とか、1万本で50万円とか。これは、自然に貼られるリンクとは違って、お金を払うことでリンクが貼られるわけですから、その際との良し悪しは全く問われません。たちまち、内容がどうでもよいようなサイトが上位に表示されるような事態があちこちで発生していました。当初からGoogle及び他の検索エンジンも外部リンクの売買禁止を謳って、それを見つけた場合は、検索順位を大きく落としたり、酷い場合は永遠に検索にひっかからないようなペナルティを科しました。ただ、リンクが自然に貼られたものか、買ったものかの判定が難しいなど、様々な理由があって、このペナルティーが本当に厳しくなり、外部リンクの意味自体がかなり薄くなったのはここ2年ぐらいのことです。だから、背に腹は替えられずと、2000年前後からビジネスをスタートしているサイトの殆どが、何らかの形で外部リンクを増やそうとしのぎを削っていました。

現在のGoogleのガイドラインは、

  • ユーザーの利便性を最優先してページを作る
  • ユーザーをだますことはしない
  • "検索順位"を上げるために不正行為をしない
  • サイトに独自性や価値を持たせ、他のサイトと差別化する

というものになっています。今まで、いろいろ行われていた上位表示の裏技がありましたが、それが全て意味のないものどころか、大きく順位を下げるペナルティーの対象となったのです。多くの企業が大きな政策転換を迫られ、それが上手くいったところが生き残っているということなのです。このガイドラインは、今までGoogleが経験したことを全て織り込んだ最も検索した人にとって利便性の高いものとなっていると思われます。但し、インチキをしないことは当たり前として、ユーザーの利便性を高める、独自性を持たせるという表現はかなり曖昧であり、ページを作る制作者からすると、またさらに頭を悩ませる内容となっているのです。

放っておくと一人勝ちだらけになるインターネットの世界

いつの時代でも、何においても1位を目指せば目指すほど、困難や問題にぶつかります。今まで、インターネットの世界は、企業規模や投資金額とは関係なく、個人でも大きな会社に太刀打ちできる独自性が魅力でした。ところが、Googleが示すガイドラインが一般的になればなるほど、大きな資金を投入し、人手をかけて作る大手企業のサイトの方がより優位性を示すようになるでしょう。例えば、ページの多さや、自然に貼られたリンクの多さで考えても、大企業に個人が勝てるわけがありません。これも、インターネットが成熟していく過程での自然な流れだと言われると仕方がありませんが、なんとなく複雑な気持ちです。インターネットの世界では1位だけが生き残るとよく言われてきました。まさに、検索エンジンではもうそれが達成されたかのようなGoogleの勢いです。ネット企業ではいち早くAmazonが巨人になりましたが、各業界で一人勝ちが今後もっと増えていくことでしょう。それがいいのか悪いのか、インターネットの世界はよくも悪くも、飲み込まれたら誰もその流れに逆らえない大渦のようです。その負の破壊力や影響力を軽減するためにも、完全に一人勝ちが達成されないような仕組みつくりというのも、今後のインターネットの世界では導入されるんじゃないかとふと思ったりもするのでした。

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