誰も彼もがブルーオーシャンの夢を見る

昨日は久しぶりに、IT全般にわたってセミナー講師をされているY先生のお話を伺った。Y先生は時代の最先端を追う嗅覚が鋭く、今後のITの流れとそれに伴う社会の変化について目からウロコの話をたくさん聞くことができた。

細かい話はコンフィデンシャルだが、新しい商品やサービスができる過程では、最初イノベーターが現れ、次にアーリーアダプターがやってきて、その次はアーリーマジョリティー、レイトマジョリティー、最後にラガードが来るというロジャースの普及モデルに当てはめれば、昔はもっぱら中小企業が最初にチャレンジし(イノベーター/アーリーアダプター)、ある程度の成功が見込めたところで大手企業が参入(アーリー/レイトマジョリティー)し、市場が収束するという傾向にあったけれども、最近は余裕のなくなった大手がなりふり構わず新規事業にチャレンジするようになったと。

そうなると、新規の事業に挑戦することで生き延びてきた中小企業は、最初から大量の資金と人的リソースを投入してくる大企業に太刀打ちできるはずもなく、行き場を失うことになるわけだ。

ニッチなマーケットを探し出し、そこに注力特化して、リスクを冒して努力して、もがき続けた水の中から海上に飛び出したら、そこには誰も敵のいないブルーオーシャンが広がっていたという密かな中小企業の持つ夢は、もはや大量資金と人海戦術で大きく勝る大企業に奪われつつあるのだ。

ITの出現により、社会の進化のスピードはさらに加速され、弱者は淘汰され、最後は生き残った1%の巨人の勝者が残り99%の淘汰された敗者を支配するという絵空事のような悪夢は現実のものになるのかもしれない。でも、それは99%の不幸を産むだけのことなのだから、どこかで止まって違う方向に進んでくれることを願うばかりだ。

そう最近、みんな余裕がないんじゃない?

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